親知らず
親知らずと歯並びの関係
親知らずは、特に矯正治療中に歯並びに影響を与えることがあります。生えてくる際の圧力が他の歯を押し出し、歯並びを乱す可能性があります。矯正治療中の親知らずの早期評価と必要に応じた抜歯は、歯並びの維持に役立ちます。
親知らずは抜いた方が良い?
親知らずが生えてくる場所は歯ブラシが届きにくいので、細菌が繁殖しやすく、虫歯になりやすい状態です。また、親知らずが無理に生えてきて隣の歯を圧迫していたり痛みがある場合や、衛生面でトラブルを引き起こす可能性がある場合は、抜歯をした方が良いケースが多くなります。
親知らずが生えてきてもトラブルを起こしていなければ、必ずしも抜歯をする必要はありません。
親知らずの痛みの原因について
痛みの原因
親知らずの痛みのお主な原因は
以下のとおりです
- 埋伏歯
歯が完全に生えず、隣の歯や骨を圧迫する。 - 感染
部分的に生えた歯の周囲に食べ物や細菌がたまり、歯ぐきの感染を引き起こす。 - 虫歯
清掃が難しい親知らずは虫歯になりやすい。 - 圧迫感
生えるスペースが不足していることで、痛みや不快感が生じる。
親知らずによる症状
具体的な症状には以下が含まれます
- 歯ぐきや顎の腫れ
- 赤く腫れた歯ぐき
- 噛む・噛み合わせる際の痛み
- 口が開けづらい
- 口臭や不快な味
親知らず抜歯後の痛みや腫れに
ついて
親知らずだから必ず抜歯後は腫れるなどということはありません。事前の的確な診断とプランニングで効率的に抜歯を行うことで、周りの組織の侵襲を少なくし、腫れや痛みを可能なかぎり少なくすることが重要です。
また、痛みの感じ方にも個人差はありますが、術後にお渡しする痛み止めでほぼ改善されますのでご安心ください。
親知らずの抜歯について
親知らずの抜歯に最適な時期
抜歯は、通常10代後半から20代前半の早期に行うのが理想的です。この時期は根が完全に形成されておらず、周囲の骨も柔らかいため、手術が簡単で合併症が少ない傾向があります。
抜歯の難易度について
真っ直ぐに生えている場合
- 難易度:低
- 所要時間:15〜30分
- 費用:保険診療で対応可能
横向きに生えている場合
- 難易度:中〜高
- 所要時間:30〜60分
- 費用:保険診療で対応可能
埋まっている場合
- 難易度:高
- 所要時間:45〜90分
- 費用:保険診療で対応可能
抜歯をお勧めする場合はどんな
ケース
抜歯が推奨される場合
以下の場合、抜歯が推奨されます
- 痛み、腫れ、感染がある場合
- 隣の歯に影響を与えている場合
- 正常に生えるスペースが不足している場合
必ずしも抜歯しなくて良い場合はどんなケースか
抜歯が必要でない場合
親知らずが完全に生え、正しく整列しており、痛みや合併症がない場合は、抜歯が必要ないこともあります。定期的な観察が推奨されます。
矯正の際の親知らず抜歯の意味
(後戻り)
矯正治療中の親知らず抜歯
矯正治療中に親知らずが他の歯を押していたり、逆向き(逆生)の場合は、抜歯が必要になることがあります。これにより、治療中の合併症を防ぎ、矯正治療の成功を確実にすることができます。
抜歯後の注意点
(腫れ、痛み止め、その他)
- 腫れと痛みの管理
処方された鎮痛剤や抗生物質を使用してください。 - 食事
硬いもの、辛いもの、熱いものを避け、最初の数日は柔らかく冷たい食べ物を摂取してください。飲酒は控えてください。 - 風呂
お風呂の浴槽に長く浸かると血流が良くなり抜歯部位からの出血の可能性があるのでシャワー程度にしてください。 - 口腔ケア
最初の24時間は抜歯部位の周囲を磨かないようにし、指示された洗口液を使用してください。
抜歯後の腫れについて
どのくらい腫れるのが普通ですか?
軽度から中程度の腫れは一般的で、3〜5日ほど続くことがあります。
腫れる期間はどのくらいですか?
腫れのピークは48時間後で、その後徐々に引いていきます。
危険な腫れとは?
3〜5日後に腫れが悪化したり、発熱や呼吸困難を伴う場合は、すぐに歯科医に連絡してください。
親知らず抜歯の流れ
相談と画像診断
X線やCTスキャンによる評価を行います。
麻酔
局所麻酔を行います。
抜歯
埋伏している場合は、必要に応じて歯ぐきを切開、歯の分割、骨の削合を行い、歯を慎重に取り除きます。
縫合とケア
必要に応じて縫合して止血します。術後のケア指導を行います。
親知らずに関する
よくあるご質問
Q. どんな時、親知らずが痛くなるのか?
A. 生える時、埋伏する時、または感染が起きた時に痛みが生じます。
Q. 親知らずはなぜきちんと生えないのか?
A. スペース不足や異常な成長方向、遺伝的要因が原因です。
Q. 親知らずはまた生えますか?
A. 一度抜歯した親知らずは再び生えることはありません。
Q. 抜かずに治す方法はありますか?
A. 一時的には薬で管理できますが、長期的には抜歯が推奨される場合が多いです。
Q. 抜歯の前に注意すべきことは?
A. 既往歴や服用薬を歯科医に伝えましょう。全身疾患の状況によってはすぐに抜歯できない場合があります。
Q. 抜歯にどのくらい時間がかかりますか?
A. 抜歯の難易度により、15分から90分程度です。
Q. 親知らずの抜歯はいくらかかりますか?
A. 全て保険診療で対応可能です。
Q. 抜けなくて途中で中止されることはあるの?
A. 稀に合併症が発生した場合、再度計画が必要になることがあります。
Q. 親知らずが虫歯になると抜歯は難しいですか?
A. 虫歯の状態により処置が難しくなる場合がありますが、問題なく対応可能です。
Q. 親知らずを抜くと小顔になる?
A. いいえ、親知らずは顔のサイズや構造に影響を与えません。
患者様の快適さとケアが最優先です
親知らずに関する問題や抜歯をご検討中の方は、ぜひ当院にご相談ください。経験豊富なチームが、安全で正確な治療を通じて、患者様の口腔健康をしっかりサポートいたします。